若年性認知症の方との関り(4)「偏見と衝撃」

「偏見と衝撃」

今でこそ若年性認知症は社会的理解がある程度深まったと思うのですが、
この当時、認知症は高齢者が罹るもの、まだ若いのに認知症?? などと怪訝な目で見られた時代でした。

まして仕事上のミスの頻発は、病気ではなくて、当の本人に問題があると厳しく問われていたのです。
つまりAさんは躊躇なく会社を辞めさせられたのです。

それは家族にとっても衝撃な出来事でした。

家族構成は妻と、遅くに生まれた長男。確かまだ中学生になったばかりだったかと。
つい最近までキャッチボールで楽しんだであろう父親が、家族からすれば信じられないような行動をする父親になってしまったのですから。

若年性認知症の方との関り

繰り返し書きますが、当時は「認知症(痴呆症)」への一般市民の理解は皆無な時代です。
Aさんの行動は、多くの人たちに蔑まれるのです。
世間の偏見、それをAさんの家族は、信じられない状況の中で、じっと耐えなければならなかったのです。

会社を辞めさせられたAさんは、そのことも理解できず、駅に向かい電車に乗ろうとしました。
結果は行方不明となり、やはりどうしていいかわからずに立ちすくむところを通報されていました。

そしてAさん家族を襲った最大の危機は、経済的苦境でした。
働き盛りのAさんが職を失い、収入がゼロになってしまったのです。

後々書こうと思いますが、福岡市の越智さん夫婦も同様でした。

(つづく)

センター長石川