専門職向け講座2「話が伝わらない」

認知症の教室⑦

センター長の石川です。
専門職向け認知症の教室、第2回目です。

認知症の人と関わる中で、ケア実践者が大変だと思うことに、「話が伝わらない」或いは「何を言ってるのかわからない」ということがあると思います。

つまり、コミュニケーションが成立しないということなのです。

それでなくても多くの仕事をこなしていかなければならない現場の人間にとって、例えばトイレに誘導するにも、お風呂に行くにも、食事に行くにも、コミュニケーションができる人の何倍もの時間を認知症の人には使わなければならないのです。

ケア側の意思が伝わらず、また認知症の人も自分の状況がわからず、危険な行動(歩行不安定なのに立ってしまうなど)を取られ、ケア側が冷や汗をかくということも多々あるでしょう。

では、なぜコミュニケーションができないのか、それは「相手が認知症だから」、イコール「理解できない人だから」ということになるでしょう。
ケア実践者の誰もが知ってることです。「認知症で理解できない人だから」と。

それでは理解できないとはどういうことなのでしょうか?

当たり前の話ですが、理解する機能がダメージを受けてしまっている状態と言えます。
理解する機能というのは「認知機能」のことになります。

つまり、本人の意思とは関係なく、様々なことを認知する機能が正常に働かなくなるということです。

この認知機能へのダメージが、ケア実践者も、認知症の人本人も、混乱の渦の中に巻き込んでしまう要因となるのです。

この当たり前の事実を、意外と私たちは忘れがちになってしまうのです。

それにはそれなりの理由があります。

何故ならば、目の前で起こっている様々な私たちが困ってしまう認知症の人の行動に、その見えている事実に、私たちが翻弄されてしまうからなのです。

(つづく)

 

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