人生の卒業式

「これは死亡診断書ですが、そんな義務的な書類ではありません。これはお母様が一生懸命生きてきた、その人生への証となる卒業証書なのです。一度しかもらえないこの証書を、お母さまの代わりに受け取ってください。」
ある県の在宅医療、看取りを行っているドクターは、そう言って家族に人生の卒業証書となる死亡診断書を渡します。

センター長の石川です。

死亡診断書は単なる行政的な書類ではない。
唯一無二、医者にしか発行することが出来ないその人の人生への卒業証書、素敵な言葉ですね。

そういう意味では、亡くなられた方を見送るのは、その方の人生の卒業式と言えるかもしれません。

人生の卒業式

あるときの卒業式。

デイサービスを利用後、入居となった方が亡くなられた時。
その方がデイサービス利用時にいつも唄っていた歌をみんなで合唱してお見送りしました。

人生の卒業式

みんなで亡くなられた方が大好きだった歌を大合唱してお見送りしました。

見送るそれぞれの人にどのような思いが去来していたか、それは測り知ることはできませんが。

随分昔の映画になりますが、黒澤明監督の映画「夢」というのがありました。
何話かあるうちの最終話「水車のある風景」で、村人たちが亡くなった人の人生を、良く頑張って生きたと称え、音楽を奏でながらパレードするシーンがありました。

人生の卒業式

映画「夢」のワンシーンより

そのシーンを思い浮かべるような、この時のお見送りでした。

亡くなられたその瞬間から、その方の存在は「記憶」として生き続けます。

人生の卒業式

様々な想いで人生の卒業式を今度は合掌して見送ります。

アーバンケア島之内では、この方に限らず、多くの方をこのような形でお見送りしてきました。

人生の卒業式

感謝を述べるご家族

人生の卒業式。

それは、その方の人生への敬意を払うとともに、その方が記憶として生きるスタートラインになるのだと思うのです。

 

*黒澤明「夢」8本の短編映画をまとめたもの。短編の中に原発の爆発の恐怖を描いた作品があり、当時スポンサーがつかなかったそうです。でもそれは現実になってしまいました。ちょっと難しい作品が多い中、第8話の「水車のある風景」は、安曇野の美しい風景とともに心潤う作品となっています。

人生の卒業式

安曇野の素敵な風景の中でのロケでした。

人生の卒業式

葬儀の行進シーンです。心に残るシーンです。

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